新着情報[電子情報工学科]盧存偉教授 海面計測システムに関する技術発明が特許権を取得
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2021.10.18
【特許番号】第6858415号 【登録日】令和3年3月26日
【発明の名称】海面計測システム、海面計測方法
工学部電子情報工学科 盧教授が発明し、特許出願した「海面計測システム、海面計測方法および海面計測プログラム」に関する技術発明が特許権を取得しました。
< 本特許発明の要約 >
津波の観測には、海底地震・津波観測網、GPS波浪計および津波レーダが用いられています。しかし、海底地震・津波観測網は、海底システムや陸上局の設置は膨大な工事であり、設備施設の維持や管理にも多大な費用が必要となります。GPS波浪計も高価であり、特定のスポットにしか設置できず、広範囲の観測が困難という課題もあります。 津波レーダは、レーダで観測した海面の流速から津波成分を抽出し、津波の波高と到着時刻を推定するものですが、長周期である津波の早期計測は困難です。
本発明は、複数のカメラで撮影した画像に基づいて津波、高波、高潮等の海面異常を計測する海面計測システムです。まず、異なる地点に設置した複数のカメラで同時に同一海面領域を含む画像を撮影します。次に、それぞれの画像から波を抽出し、その各波に対し、同一の波を見つけ出し対応付けし、対応付けした画像の各波を三次元解析することにより海面の高さおよび波の高さを算出します。その海面の高さおよび波の高さに基づいて海面異常の発生の有無を判定するというものです。
本発明によれば、津波、高波、高潮や急潮等の海面異常の有無をリアルタイムで判定することができ、津波が発生した場合にその規模と到着時刻をリアルタイムで算出し、必要な機関、必要な人に海面異常に関する警報を自動的に送信することが可能となり、海面異常に対する避難や被害の軽減を実現できます。さらに、前述の観測システムよりもはるかに安価で、より多くの地点に設置することが可能となります。