新着情報[電子情報工学科]近木祐一郎教授 潮位推定装置および潮位推定方法に関する技術発明が特許権を取得

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2022.02.08
【特許番号】第6978049号  【登録日】令和3年11月15日
【発明の名称】潮位推定装置および潮位推定方法
工学部電子情報工学科の近木教授、金子大祐さん、間瀬淳さんが発明し、特許出願した「潮位推定装置および潮位推定方法」に関する技術発明が特許権を取得しました。

< 本特許発明の要約 >

津波を検出する装置として、ドップラーレーダにより津波の前面部分の速度を測定することにより予測する装置が開示されています。この技術では、津波前面の速度から津波の検出を行うことは可能ですが、津波の高さを検出することができません。さらに、津波前面の進行速度と水深のデータベースとを利用して津波の伝搬モデルから水深を推定するドップラーレーダも研究されていますが、津波における波の前面の速度を測定することから、津波の前面の波高しか検出することができません。また、ドップラーレーダによる波浪の測定により、ドップラー効果と、波と電波の散乱モデルを利用した波高推定も風波のような波高を精度よく推定するところまで実用化されていますが、津波のような長波長の波に関してはモデルに当てはめることができず、波高の推定は不可能です。

本発明の潮位推定方法によれば、レンジ方向の潮位の分布をリアルタイムに把握することが可能となり、津波の発生時には津波の伝播は、送信アンテナから海面に向けて照射された周波数変調した電波の後方散乱波を、高さ方向に所定間隔で配置された複数の受信アンテナにより受信し、複数の受信アンテナにより受信した各後方散乱波信号の位相を解析することにより、潮位を直接的に推定することが可能となります。これにより、レンジ方向の潮位の分布をリアルタイムに把握することが可能となり、津波の発生時には津波の伝播を可視化することができ、沿岸部への到達予測をより正確に行うことが可能となります。

また、演算手段が、送信アンテナと海面の散乱点と複数の受信アンテナの各受信アンテナとの間を電波が飛行する時間で受信した各後方散乱波信号と、送信アンテナと任意の位置に設定した基準点と各受信アンテナとの間を電波が飛行する時間で発生する参照波信号とから得られる各差周波信号を周波数軸方向にフーリエ変換して得られた複素データの振幅の大きな位置で位相を抽出し、異なる時刻で取得した各受信アンテナの各位置における位相のアンサンブル平均を取ることにより位相の分布の傾きを算出し、レンジ方向の潮位の分布を推定する構成により、波浪による潮位の変化を平均化したレンジ方向の潮位の分布を直接的に推定することが可能となり、レンジ方向の潮位の分布をリアルタイムに把握することが可能となります。

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