新着情報[情報システム工学専攻]李研究室 指輪型血管健康度チェックシステム開発研究に関する発表が2つの学会で受賞しました
李研究室開発 指輪型血管健康度チェックデバイス
超小型・薄膜のポンプで空気を送り込むことで指輪の内部が膨張。さらに、搭載された光センサーが血流である脈波を計測。試作デバイスを用いて、加圧による一拍ごとの脈波の振幅及び形状的な変化特徴から、「血圧」と「血管弾性度」と「心拍数」などの血管関連の情報を分析して血管の状態が把握できる。
*2022年「ささぐり元気もん活動」にて高齢者の血管健康度の調査で活用
2022年 日本生体医工学会 九州支部学術講演会 「研究奨励賞」受賞
2022年3月6日(日)オンラインにて開催
「加圧される面積による血圧値の誤差について:容積振動法を用いた指輪式血圧計開発研究」
日常生活で使っている自動血圧計は、カフの「大きさ(腕より小さいなど)」や「巻き方(緩めに巻くなど)」によって測った血圧値がずれることを皆さんはご存知でしょうか。これは、体積と圧力の関係が原因となる誤差です。本研究では、血圧を指で計測できるデバイスを開発しながら、指の太さ(体積)による計測血圧値の誤差原因について実験的な検証を行いました。また、計測精度を向上させるため、体積と圧力の関係を示す「ボイル・シャルルの法則」と「加圧力と生体組織の関係」を基に校正法を提案しました。
日本機械学会 第34回バイオエンジニアリング講演会「Outstanding Student Poster Presentation」受賞
2022年6月25日(土)~26日(日)福岡市 福岡国際会議場にて開催
「加圧を伴う指輪型デバイスを用いた指基部における二次微分脈波の特徴点に基づく血管弾性度について基礎検討」
光で計測した脈波(心拍動に伴う血液の流れ)を二次微分することで加齢による「血管の硬さ(血管弾性度)」がわかります(原理:波形の形状的な特徴を分析)。一般的には、指尖部に光を当てて脈波を測りますが、細い血管が多い指尖部は「気温」や「センサーの接触圧」などの計測環境による影響を受けやすいので厳密な検査法としての利用に限界があります。本研究では、指尖部より血管が太い指基部における二次微分脈波の特徴を分析し、血管の硬さや年齢の推定を行いました。特に、加圧による二次微分脈波の形状的な変化と個々人血圧を考慮した分析技術(測定部位における「外圧;センサーの接触圧」と「内圧;血圧」を考慮)は独創的な部分です。実験結果としては、喫煙有無による血管の硬さについて調べ、指尖部では見られてなかった血管弾性度の差が、試作デバイスによる指基部では確認できることを報告しました。