新着情報[情報工学専攻]AI開発の基となる「応用カオス研究」、学生2名が学会受賞。

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2022.10.21
工学研究科 情報工学専攻2年の学生2名(共に山口研究室)が、一般社団法人 日本数理学会 応用カオス研究部会主催で2021年9月と2022年3月にオンラインにて開催された学会において研究発表を行い、それぞれ「第1回 応用カオス研究部会賞(若手奨励賞)」「第2回 応用カオス研究部会賞(若手奨励賞)」を同学会応用カオス研究部会より受賞しました。
2021年度日本応用数理会年会 (2021年9月開催) にて 

「第1回 応用カオス研究部会賞(若手奨励賞)」 受賞

GANを用いたカオス時系列生成

非線形時系列データの予測・生成課題では従来は時系列データに存在しうる決定論的な性質𝑥𝑛+1 = 𝐹 (𝑥𝑛) を発見し、写像 𝐹 を近似的に求める手法が代表的でした。一方近年の深層学習分野では、畳み込みニューラルネット (CNN)を用いて時間方向には反復をせずに時系列サンプルを生成する手法が提案されており、音声合成等に応用されています。このような時間的反復を伴わない手法によりカオス的な時系列を生成できるか、生成した時系列はどの程度カオス的といえるかは興味深い問題です。

本研究ではCNNを用いた敵対生成ネットワーク (GAN)を学習させることで擬似的な時系列データを生成し、生成された時系列が決定論的カオスの特徴を持つか分析を行いました。

第18回研究部会連合研究発表会 (2022年3月開催)にて

「第2回 応用カオス研究部会賞(若手奨励賞)」 受賞

CycleGANの反復変換により生成される力学系軌道のカオス性               

近年深層学習技術は様々な方向に発展をみせていますが、カオスなどの非線形ダイナミクスを利用した深層モデルの研究はまだ少ないのが現状です。深層学習モデルの枠組みとして敵対生成ネットワークが注目されており、そのひとつにCycleGANがあります。CycleGAN とは 2つの画像データセット同士の関係を学習して画像変換を実現する生成モデルです。

本研究では、CycleGANを使い、深層ニューラルネットによる連想モデルを構築することを目的として画像変換を繰り返し行い、連続的に画像を生成することを試みました。そして連続的に生成した画像の変化を力学系の観点から特徴づけ、特にアトラクタの分類やカオス性の分析を行いました。 

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