新着情報子宮頸がん予防ワクチン(HPV ワクチン)の接種について
2024.02.06
1. ヒトパピローマウィルス(HPV)感染症
HPVは性的接触のある女性であれば50%以上が生涯で一度は感染すると言われています。一般的なウィルスで、子宮頸がんをはじめとするがんや尖圭コンジローマ等、多くの病気の発生に係っています。特に、近年若い女性の子宮頸がん罹患が増えている状況です。
グラフ1は、HPVと診断された方を年代別に示したものです。
日本では毎年、約 1.1 万人の女性がかかる病気で、年代別でも30代から80代と幅広い層が感染していることがこのグラフから分かります。
さらに毎年、約 2,900人の女性が亡くなっています。さらに、20歳代から増え始め、30歳代までにがんの治療で子宮を失ってしまう人も、1年間に約1,000人います。
2. HPV ワクチン接種状況の国際比較(2019年)
2013年4月から日本でも定期予防接種が始まりましたが、接種後の多様な症状等について十分な情報提供ができていなかったことから、積極的推奨を一時的に差し控えていました。 そのため、グラフ2のとおり、諸外国と比較すると低い接種率になっています。
2021年度に改めてHPVワクチンの安全性について確認され、定期接種として勧奨することになり、徐々に接種率が上がってきています。
2021年度に改めてHPVワクチンの安全性について確認され、定期接種として勧奨することになり、徐々に接種率が上がってきています。
3. キャッチアップ接種
このようにHPVワクチンが接種できたにも関わらず、積極的推奨が差し控えられたことで接種の機会を逃した方に対して、キャッチアップ接種という制度があります。
- キャッチアップ接種とは・・・今回の積極的勧奨の再開までの8年間のうちに対象外になってしまった人に改めて公費で接種を提供するものです。
- 対象者:1997から2006年度生まれの学生で、接種期間は2025年3月まで、本学の学生(大学・大学院・短大)が対象になります。HPVワクチンは16歳までに接種するのが最も効果が高いと言われていますが、それ以上の年齢で接種しても、一定の有効性が認められています。
- 接種期間:2025年3月まで
- 接種スケジュール:全く接種していない人は全3回接種のため、できるだけ今年度中に1回目を接種することが望ましい。
- その他の諸注意
※予防接種は基本的に住民票のある市区町村で受けることになります。(住民票のあるところに接種券が届きます。)
※福岡市外および福岡県外に住民票がある方、接種券をなくした方も受けることができます。一度、保健室へご相談ください。
子宮頸がん予防ワクチン(HPV ワクチン)に関するアンケート調査より
このアンケート調査は、2023年12月6日~21日までの16日間、本学の大学・大学院・短期大学部の女子学生:636人を対象に実施したもので、アンケートの回収率は19.8%でした。
【アンケート結果の概要】
- 子宮頸がん発症の多くが”ヒトパピローマウィルス(=HPV)”によって起こっていることを知っている、知らないとの回答では、ほぼ同数。
- HPVワクチンを知っていると回答した学生は98人(77.8%)と多数であったが、実際に接種(1~3回)している学生は43人(34.1%)と少数で、約2/3以上の学生はHPVワクチンを未接種と回答。
- HPVワクチンの“キャッチアップ接種”については、知っている、聞いたことがある学生は43人(34.1%)、知らないと回答した学生は83人(65.9%)と知らない学生が多数を占めた。
- “キャッチアップ接種”を知らない学生のうち、“キャッチアップ接種”を希望すると答えた学生が9人(10.8%)、希望しないが5人(6.0%)、わからないが69人(83.2%)で、“キャッチアップ接種”の利用そのものを迷っている学生が大多数を占める。
- 子宮頚がん検診については、受診歴ありが16人(12.7%)、機会があれば受診したいが73人(57.9%)と、未受診だが、今後受信を検討したい回答が多数。
- HPVワクチンに関する記述式の質問では、①HPVワクチン接種の回数・時期等について知りたい、②HPVワクチンを受けるメリットについて、③HPVワクチン接種後の副作用について、④親から接種しない方がいいと言われる、といった内容が見られた。(本質問に対しては個別に対応。)
【今回のアンケート調査を通して】
ご協力いただいた学生の皆さま、ありがとうございました。今回のアンケートは皆さんの健康を守る上でもとても大切な内容ですが、残念なことに回答率が低く、再度調査をお願いしたいと思っています。未回答の学生の皆さま、よろしくお願いします。
今回の調査をきっかけとして、子宮頸がん検診やHPVワクチンの事を知っていただきたいと思いました。
特に、子宮頸がんを予防できるワクチン接種、“キャッチアップ接種”の機会に 恵まれている今、一歩踏み出していただければと思います。いつでも相談に乗ります。
わからないこと、疑問に思うことがあれば、保健室へどうぞ!
お問合せ
福岡工業大学 保健室
TEL:092‐606-7293(受付直通)
E-mail:hoken@fit.ac.jp