新着情報手書きデジタルインクのデータ圧縮に「スパースガウス過程回帰」の新方法。大学院生が学会受賞
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2024.02.28
[システムマネジメント専攻]藤岡研究室の学生
2023年9月、崇城大学において開催された 第76回電気・情報関係学会九州支部連合大会において、システムマネジメント専攻2年 藤岡研究室の学生の研究発表が優れているとして 電子情報通信学会 九州支部「連合大会講演奨励賞」を受賞しました。受賞した研究のタイトルは 「スパースガウス過程回帰を用いた手書きデジタルインクの圧縮と復元」です。
デジタルインクのデータを圧縮・復元する新しい手法について、統計的機械学習のモデルを用いて検討したものが評価されました。
デジタルインクのデータを圧縮・復元する新しい手法について、統計的機械学習のモデルを用いて検討したものが評価されました。
「スパースガウス過程回帰を用いた手書きデジタルインクの圧縮と復元」
多くの電子機器、例えばペンタブレットPCでは、スタイラス(ペン)や指で画面に文字などを書くことができます。この際には「デジタルインク」と呼ばれる技術が使われます。しかしながら、文字や絵をたくさん書くと、デジタルインクのデータの量がとても大きくなってしまうといった問題があります。
これを解決するために、デジタルインクのデータを圧縮する(小さくする)方法が考えられています。一つの方法は、データを多項式などによる曲線で表現し、データの量を減らすというものです。しかし、この方法では複雑な形状な文字や図形を表すためには多くのデータが必要になることがわかっています。
そこで、私たちは別のアプローチとして、ガウス過程回帰という統計的な手法を使って、デジタルインクのデータをより効率的に圧縮・復元する方法を提案しました。ただし、この方法には計算の量が大きくなるという問題があり、私たちは「スパースガウス過程回帰」という技術を使った新しい方法を提案しました。この方法では、元のデータよりもずっと少ないデータでデジタルインクを表現できるので、データを小さく保ちながらも、従来の方法より元のデジタルインクをうまく復元できます。今のところ、一筆書きの文字だけに限定していますが、今後は文章や絵などにも対応できるよう発展させる予定です。