新着情報[電気工学科]北川 二郎教授 ハイエントロピー合金超伝導体に関する本がSPRINGER NATURE社より出版されました

トピックス
2024.09.30
工学部電気工学科の北川二郎教授は、東京都立大学の水口佳一准教授と共同で、『High-Entropy Alloy Superconductors: Exotic Properties, Applications, and Materials Design』という書籍を編集し、SPRINGER NATURE社より出版しました。本書は、ハイエントロピー合金超伝導体に関する世界初の専門書となります。
ハイエントロピー合金は、2004年に提唱された新しい材料概念で、4種類以上の元素がほぼ同等の割合で合金を形成するものを指します。これらの合金は、構造材料、触媒材料、磁気冷凍材料、熱電変換材料など、様々な分野で非常に優れた性能を示し、世界的に注目を集めています。特に、ハイエントロピー合金超伝導体は、超高圧や放射線などの極限環境に対する優れた耐性や、次世代超伝導線材の候補として高い臨界電流密度を示すことから、研究者の間で大きな関心を呼んでいます。
本書は、北川教授と水口准教授が、この分野をリードする世界中の研究者に寄稿を依頼し、編集されたもので、両先生の研究グループも寄稿しています。本書の出版が、ハイエントロピー合金超伝導体の研究のさらなる発展に寄与し、さまざまな分野の研究者に刺激を与えることが期待されます。
デバイ温度(格子振動の激しさ)と電子格子相互作用(電子と格子振動の接着のしやすさ)に対する超伝導転移温度の等高線プロット
超伝導を実現するには電気を流す役目の電子がペアを組む必要があります。このとき、格子振動が接着剤の役割を果たします。通常の超伝導体では白矢印のように、格子振動が激しくなると、接着もしやすくなり超伝導転移温度が上昇します。しかし高エントロピー合金超伝導体(A,B,C,D)では、格子振動が激しくなると、原子配列の乱れによる各格子での格子振動のばらつきが大きくなります。すると、不確定性原理から接着が上手くできずペアを形成するのが難しくなり、超伝導になる温度が低下します。

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